創刊予告号


学内新聞創刊 ー批判・主張を辞さずー

 やっとこの日が来た。学生主体で、学生 圏を主眼にしたメディアの復権だ。学内発行の大学新聞は東大、慶応、その他の有名大学のどこにでもありながら長らく早大では見られなかった。1月から本格発行するこの新聞 は、早大史における空白を埋めるものになる だろう。

 弊紙は、創刊にあたり「読者が考える材料を提供する」メディアを標榜する。その本旨に沿って紙面では、批判や主張を積極的に提示していく。つまり、 情報の取捨選択権は読者であるあなたに委ねられている。なぜ、このような体制を取る必要があるのだろうか。

 まず、言わずもがな私たちは生活空間において政治参加のいち主体として位置づけられている。またとりわけ 学生は外部権力から独立している(ことにな っている)大学空間内において、何れからの管理を受けない独立した存在だ。そして教授、 職員同様に「学生の自 治」の形で意思決定へ の参加の権利を慣習的に得てきた。

 権利の行使のために人々は情報を得なくてはならない。当然個人単位でかき集めるには限界がある。そこでメディアは集団となって、情報公開に努めてきた。 元来、メディアは権力との対決構造の下にある。当然学内であっても同様だし、メディア内部においても同じだ。

 中立、公平といった文言が美しくある一方、人が書くものはどこかで偏りを持たざる を得ないことは事実としてある。そこで原則を持ち出すのは執筆者の自己表現を歪めるだけでなく、現状の大学空間で諸権力の圧力をモロに浴びる学生とその関係性においては間接的な権力の介入を招きかねない。

 そこで弊紙は、新聞制作の内輪でトップダ ウンによる制約や強制をとらないという方針を第一に掲げる。ここで述べられる記事は、 ときに厳しく、ときに扇情的に見えるかもしれない。しかし、それが執筆者自身の、ひいてはその紙面の背後にいる、紙面を読む学生=皆さんの大学空間におけるあり方に資すると確信している。 私たちはあえてこれらを自己規定して新聞発行にあたることをここに宣言し、被取材者、 読者への約束とする。弊紙は、12月中に創刊準備号を発行、1月から本格発行予定。